研究課題
自閉症スペクトラム障害(Autism spectrum disorders: ASD)では、聴覚情報処理の非定型性(過敏・鈍麻)が社会適応に大きく影響することが知られているが、聴覚情報処理特性と聴覚環境変化が、ASDの学校メンタルヘルスにどのような影響を及ぼすかについては、よく知られていない。本研究課題では、児童の問題行動と関連の強いメンタルヘルス項目を自記式質問紙の質問項目として抽出した後、既に実験室における神経生理学的検査で聴覚情報処理特性や臨床特性の評価データのあるASD児や定型発達(Typical development: TD)児において、これらの質問項目と実生活における聴覚環境を連続調査することで、児童の聴覚情報処理特性に応じて高い学校メンタルヘルスにつながる最適な聴覚環境の同定を行うことを目的とする。自記式質問紙の質問項目は、連携研究者の長尾が学校メンタルヘルス事業で蓄積した調査から、児童の問題行動との関連が強いものを40項目程度抽出して決定する。平成27年度は、平成28年度以後の本調査で用いるメンタルヘルスに関連した自記式質問紙の質問項目の抽出のためのデータ収集を実施し、実生活における聴覚環境測定のため、腕時計型音センサーを用いて騒音の音圧レベルを測定する予備実験を開始した。
2: おおむね順調に進展している
平成27年度は、平成28年度以後の本調査で用いるメンタルヘルスに関連した自記式質問紙の質問項目の抽出のためのデータ収集を実施し、実生活における聴覚環境測定のため、腕時計型音センサーを用いて騒音の音圧レベルを測定する予備実験を開始した。
今後は、本調査で用いるメンタルヘルスに関連した自記式質問紙の質問項目を決定し、ASD群ならびにTD対照群各群毎年15名を目標に、聴覚環境変化とメンタルヘルス項目の変化を調査し、これらの関連について検討していく。
すべて 2016 2015 その他
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Journal of autism and developmental disorders
巻: 46 ページ: 534-543
10.1007/s10803-015-2593-4.
日本生物学的精神医学会誌
巻: 26 ページ: 103-108
http://www.ncnp.go.jp/nimh/jidou/research/research.html