研究課題/領域番号 |
15K12734
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
浅野 路子 慶應義塾大学, 先導研究センター(三田), 特任助教 (50750064)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | MRI / 自閉症スペクトラム障害 / 子ども / 灰白質 / 白質 / 生活習慣 / メンタルヘルス |
研究実績の概要 |
通常学級に在籍している閾値下の児童・生徒について、自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder, 以下ASD)の特性の高低で群分けを行い、家庭学習習慣が、IQや脳発達に与える影響が発達特性でどのように異なるのかについて明らかにする。さらに家庭学習習慣の影響が認知機能だけでなく、心の健康に及ぼす影響についても調べ、ASD特性の高い群でメンタルリスクの高い小児の脳発達にみられる特徴を明らかにする。 平成27年度は、平成20年から25年3月までの小児脳発達研究に参加してもらった小児及びその兄弟姉妹に対して本調査への参加可否について打診を行った。合計40名の被験者が参加し、質問紙調査、認知力検査及び脳MRIを用いてデータ収集を行った。平成28年度は、40名の被験者に対して脳解析を行い、その結果、ASD傾向が高い小児ほど角回の灰白質量が減少していることが明らかになった。また、平成28年度の後半は、平成29年度に予定している定型発達群とASD傾向を持つ群との群間比較を行うためにリクルートを開始した。今後は、データ収集を行い、定型発達群とASD傾向を持つ群との脳形態の違いについて検討を行い、生活習慣やメンタルヘルスの問題が、それぞれの脳発達にどのような影響をあたえるのかにつていも検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、ASD傾向を持つ児童を対象としていることから、対象者が非常に限定されている。平成28年度は、定型発達群とASD傾向を持つ群との群間比較を用いた脳解析を実施することを目標としていたため、そのリクルートが十分ではなく、目標のデータ数を収集することができなかったことが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の前半でリクルートを行い、十分なデータ収集を行う。その後、定型発達群とASD傾向を持つ群との群間比較を用いた解析を行う。また、データが増えることによって、家庭学習時間などの生活習慣やメンタルヘルスの質問紙と脳形態との相関についても再解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は、予定していた被験者数を満たすことができず、解析に関する物品費、検査員や参加者への人件費、および謝金に余剰金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度では、予定している被験者数を確保するため、物品費、人件費、謝金に余剰額を使用する予定である。
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