研究課題/領域番号 |
15K12735
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
藤原 武男 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (80510213)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子ども / 事故予防 / ランダム化比較試験 / 父親の育児参加 |
研究実績の概要 |
これまでの出生コホートでの研究から、父親の育児参加が事故予防に効果的であることが示されてきた(Fujiwara et al, Int J Epidemiol, 2010)。しかしながら、父親の育児参加を高めることにより子どもの事故を予防できるかどうかを、ランダム化比較試験による検証はまだなされていない。本研究は、父親の育児参加を促す教材を作成し、父親の育児参加を高める介入をすることにより、父親の育児参加が事故予防に効果があるかどうかを検証することを目的として実施した。 調査対象は国立成育医療研究センター病院および医療法人社団飯野病院で生まれた児の両親(目標N=1500名)とし、産後の入院期間中にリサーチコーディネーターまたは研究補助員が産科病棟スタッフに参加基準をみたす母親の病室を訪問し研究説明を行い、書面による同意を得た。同意が得られた世帯に研究IDを付与し、父親育児に関するDVDを視聴する群(介入群)、赤ちゃんの泣き(虐待予防)に関するDVDを視聴する群(対照群)の割り付けを行った(割り付けは中央登録によるブロック化ランダム表を用いた)。介入群には事故予防のために父親の育児参加を促すDVD「お父さん、出番です」を、対照群には厚労省作成の虐待予防のためのDVD「赤ちゃんが泣きやまないを生後2週以内に送付した。出産時に質問紙により属性等を把握した。アウトカムである事故の状況について生後3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月まで質問紙で調査した。 本年度は、当初の計画において想定していた2つの産科病棟において、調査の同意が得られ、250名程度の同意が得られた。同意が得られた方への生後3か月以降の追跡調査も順調に進んでおり、追跡率も70%は超えている。リクルートにおいて、特別に問題はおきていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
参加者のリクルートにおいて、リクルーターが病棟を訪問した時点で病室にいないなどの理由で接触できず、参加者確保にやや難航している。接触できれば、参加率は高いので、接触できるようにする工夫が必要である。 また、産後の基礎情報についての祖解析からは、職場のソーシャルキャピタルが高い父親は、育児参加の意欲が高いことが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は最終年度のため、少なくとも前半の9月までに大幅な参加者の確保をめざして、リクルーターを常駐させ、参加者の確保に努める。後半は順次解析し、論文化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加者のリクルート開始までやや難航し、リクルーターの人件費が生じる期間が当初の予定より短かったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度はリクルーターの人件費を厚くし、参加者のリクルートに努めるために繰越額を使用するものとする。
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