タンパク質のリン酸化・脱リン酸化は、細胞の恒常性を保つための主要なタンパク質制御機構である。タンパク質脱リン酸化酵素であるPPM1ファミリーは、12種類のアイソフォームから構成され、細胞分化、細胞周期調節、アポトーシス、さらには代謝系など極めて多様な生命現象に関与することが示されており、非常に注目されている。しかしながら、現在まで多くのPPM1ファミリーに対する細胞内標的や特異的基質配列を見出す一般的な方法はなく、その開発が急務となっている。本研究では、特異的基質配列および細胞内標的を同定する新規な手法「配位金属制御に基づく基質トラッピング法」を考案し、その有用性を示した。
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