研究課題/領域番号 |
15K12743
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西川 俊夫 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (90208158)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ゲルダナマイシン / 神経保護作用 / HSP-90 / ケミカルバイオロジー |
研究実績の概要 |
ゲルダナマイシン(GA)のアナログ合成:まず、GAをt-BuOKで処理することで7位のカルバモイル基を除去し、デカルバモイルゲルダナマイシン(DCGA)を得た。ついで、アリルアミン、プロパルギルアミンと反応させる事で、17位OMeを変換した化合物を合成した。また、7位の置換基効果を見る為に、エステル体とフェニルカルバメート体を合成した。 生物活性試験:まず今回合成したDCGAアナログのP-19細胞に対する細胞毒性とP-19由来のニューロンに対する細胞毒性を評価した。ついで、P-19由来のニューロンを、DCGAアナログの存在下で、抗がん剤であるタキソールで処理し、その生存率で、細胞保護作用を評価した。その結果、DCGAアナログは、いずれも細胞毒性が低下しているにもかかわらず、神経保護作用を示す事が明らかになった。 そこで、DCGAの標的タンパクを探索するために、7, 17位にそれぞれビオチンタグを結合させた分子プローブを合成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画以上の進展をみた。DCGAアナログの合成と活性評価が順調に進み、2年目に予定していた7,17位にビオチンタグを結合した化合物を合成する事ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
計画通りDCGAアナログが HSP-90の機能を阻害するかを調べる.一方で、初年度作製したDCGAのビオチン結合体を使って、標的タンパクを特定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、かなりの試行錯誤が必要だと考えていたDCGAアナログの合成が、予想以上に順調に進んだため、高価なGAの購入にかかる費用が想定を下回ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今後のDCGAの標的同定にあたっては、 かなりの量のDCGAのアナログの合成が必要であり、そのための合成用試薬と、標的同定の為の生化学試薬に使用する計画である。
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