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2017 年度 実績報告書

次世代チオクロモン型ケージド化合物の創成と新規細胞セレクション法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K12748
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

垣内 喜代三  奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (60152592)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード生体分子 / ケージド化合物 / チオクロモン誘導体 / アンチセンスオリゴ核酸 / 水溶性 / シクロデキストリン / コレステロール
研究実績の概要

本研究では、我々のチオクロモン型光解離性保護基(TCM)を用いた新規ケージド化合物を合成し、光照射(アンケージング)により、保護されていた生命分子が機能を復元する時期と場所を高度に制御するだけでなく、その保護基がアンケージング時に極めて強い蛍光を発する四環性化合物へ変換されるという特性を最大に活かして、その蛍光強度測定による脱保護反応進行度の定量化を行う。さらに、その成果を新規細胞セレクション法の開発に応用することを目的とした。
ルシフェラーゼ阻害剤として知られているレスベラトールの三つの水酸基をTCMでマスクしたケージド体の詳細な検討を行い、2-もしくは3-ケージド体を用いて、光照射によるアンケージングを行った結果、照射時間とともに四環性化合物の蛍光発光は増大し、これに相関してルシフェラーゼ阻害能が増強していくことを見出し、学術論文誌上にて発表した(ACS Omega,2017,2,2300-2307)。これらケージ化されたレスベラトールは水溶性が極めて低く、水溶液中でのアンケージングの効率が非常に低いことが判明し、TCMに高水溶性を持たせる必要があることが今後の課題として残った。
また、水中でコレステロールを選択的に取り込む水溶性分子シクロデキストリン(CD)に着目し、TCMによりケージ化されたβ―メチルCDを合成し、その細胞膜からの膜中コレステロールの引き抜き光制御を検討した。リン脂質およびコレステロールから調製した擬似細胞膜リポソームを用いて、このケージド化合物のコレステロール引き抜き能を調査した結果、光照射前に、コレステロールおよび一部のリン脂質を取り込み、リポソームの破壊をもたらすことがわかった。続いて、光照射することにより、アンケージングされ主としてコレステロールを包接し、リン脂質が放出され、リポソームの再形成を導く興味深い新現象を発見した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Quantitative Photodeprotection Assessment of Caged Resveratrol by Fluorescence Measurement2017

    • 著者名/発表者名
      Shin Hikage, Yasuhiro Nishiyama, Yasuo Sasaki, Hiroki Tanimoto, Tsumoru Morimoto, Kiyomi Kakiuchi
    • 雑誌名

      ACS Omega

      巻: 2 ページ: 2300-2307

    • DOI

      DOI: 10.1021/acsomega.7b00250

    • 査読あり
  • [学会発表] Synthesis of Caged Methyl-β-Cyclodextrin and its Application to Simulated Biological Membrane2018

    • 著者名/発表者名
      Shohei Maehara, Katsuhiro Takahashi, Tsumoru Morimoto, Kazuma Yasuhara, Yasuhiro Nishiyama, Kiyomi Kakiuchi
    • 学会等名
      International Symposium on Caged Compounds
    • 国際学会
  • [学会発表] Quantitative Photodeprotection Assessment of Caged Resveratrol by Fluorescence Measurement2018

    • 著者名/発表者名
      Shin Hikage, Yasuhiro Nishiyama, Tsumoru Morimoto, Kiyomi Kakiuchi
    • 学会等名
      International Symposium on Caged Compounds
    • 国際学会
  • [学会発表] ケージドメチル-β-シクロデキストリンの合成と擬似生体膜への応用2018

    • 著者名/発表者名
      前原渉平、高橋克洋、森本積、安原主馬、西山靖浩、垣内喜代三
    • 学会等名
      日本化学会第98春季年会
  • [学会発表] ケージドシクロデキストリンを用いたコレステロール包摂能の光制御2017

    • 著者名/発表者名
      前原渉平、高橋克洋、西山靖浩、垣内喜代三
    • 学会等名
      第38回光化学若手の会
  • [学会発表] ケージドシクロデキストリンの合成と擬似生体膜への応用2017

    • 著者名/発表者名
      前原渉平、高橋克洋、西山靖浩、北又学、末次志郎、垣内喜代三
    • 学会等名
      2017年光化学討論会
  • [備考] 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 反応制御科学研究室

    • URL

      http://mswebs.naist.jp/LABs/kakiuchi/index-j.html

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公開日: 2018-12-17  

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