研究課題
オートファジーは細胞内バルク分解システムで、多くの疾患、老化などに関与している。申請者らは、オートファジーの中でも、オルガネラ特異的オートファジーを検出する系の確立をめざした。パーキンソン病をはじめとする神経変性疾患に深く関与するマイトファジー(ミトコンドリア特異的オートファジー)をリアルタイムでモニターする測定系の開発については、その研究の過程で、これまでミトコンドリア局在シグナルとして用いていたチロクロームcオキシダーゼのサブユニットの標的シグナルでは、pHluorinのミトコンドリア局在が発現量によって、leakyになることがわかってきた。そこで、ミトコンドリア局在シグナルを検討し、リステリア モノサイトゲネシスのActAのミトコンドリア局在シグナルを用いることで、この問題が解決できることがわかり、発現ベクターの作り変えをおこなった。もう一つの標的オルガネラとしてのペルオキシソームについては、昨年度、我々はpHluorin-mKate2タンデム蛍光蛋白質に、ペルオキシソーム局在配列をつけペルオキシソームに局在する場合には、緑色・赤色の2重蛍光を発し、酸化ストレス等によりペキソファジーが誘導された場合にはペルオキシソームがオートファゴソームに取り囲まれ、リソソームに融合した時点で赤色蛍光のみを示すことで、ペキソファジー(ペルオキシソーム特異的オートファジー)を可視化・モニターできるプローブを作成した。これも発現量が多すぎると細胞質に分布してしまう問題点が見つかってきた。このため、発現量をコントロールできるTet-onシステムを導入し、ドキシサイクリン依存性に発現量をコントロールできるベクターを作成した。これについては、現在、どのくらいの発現誘導がペキソファジー測定に適しているかを検討している。
3: やや遅れている
マイトファジー(ミトコンドリア特異的オートファジー)をリアルタイムでモニターする測定系の開発については、その研究の過程で、これまでミトコンドリア局在シグナルとして用いていたチロクロームcオキシダーゼのサブユニットの標的シグナルでは、pHluorinのミトコンドリア局在が発現量によって、leakyになることがわかってきた。そこで、ミトコンドリア局在シグナルを検討し、リステリア モノサイトゲネシスのActAのミトコンドリア局在シグナルを用いることで、この問題が解決できることがわかり、発現ベクターの作り変えをおこなった。これにより、細胞質に分布する問題はかなり改善された。ペキソファジーの測定系については、これも発現量が多すぎると、細胞質に分布してしまう問題点が見つかってきた。このため、発現量をコントロールできるTet-onシステムを導入し、ドキシサイクリン依存性に発現量をコントロールできるベクターを作成した。これについては、現在、どのくらいの発現誘導がペキソファジー測定に適しているかを検討している。
マイトファジープローブ、および、ペキソファジープローブどちらも、細胞内の発現量が一定の範囲でないと、定量化することが難しいため、安定発現ができる系を立ち上げないと、汎用的に多くの研究者が利用でき無いことが懸念される。このために、EBNA1-OriPエピゾーマル型ベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、およびSleeping Beautyなどのトランスポゾン用ベクターを作成し、どの実験系が良いかを検討している。今年度中に、これらの成果をまとめて、学会・論文発表すると共に、研究ツールとして、DNAバンク等を利用して、多くの研究者に供与できるようにする予定である。
マイトファジープローブ、および、ペキソファジープローブどちらも、細胞内の発現量が一定の範囲でないと、定量化することが難しいため、安定発現ができる系を立ち上げないと、汎用的に多くの研究者が利用でき無いことが懸念される。このために、EBNA1-OriPエピゾーマル型ベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、およびSleeping Beautyなどのトランスポゾン用ベクターを作成し、どの実験系が良いかを検討している。このために、実験計画の変更を要し。条件検討などに必要な試薬等の消耗品として使用する計画である。また論文発表、学会発表も計画しており、そのためにも使用する計画である。
すべて 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
PLoS One
巻: 13 ページ: e0191108
10.1371/journal.pone.0191108
Cell Microbiol
巻: 26 ページ: e12846
10.1111/cmi.12846
Autophagy
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10.1080/15548627.2017.1314897
https://scholar.google.co.jp/citations?user=C9H0DzcAAAAJ&hl=ja&oi=ao