研究課題
ミトコンドリア特異的オートファジー(マイトファジー)をモニターする系に関しては、標的とする細胞株によって、適したミトコンドリア標的シグナルがあることがわかった。将来的に哺乳動物への応用を考え、アデノ随伴ウイルスベクターの作成を行った。組織特異的な発現が可能になるようにTetプロモーター制御によるアデノ随伴ウイルスベクターの作成を試みている。ペルオキシソーム特異的オートファジー(ペキソファジー)をモニターする系に関しては、ペルオキシソームへの局在化が発現量に応じて変化するため、ここの細胞で観察することは可能であるが、定量化のための標準化の問題が残った。今後の課題である。脂肪的特異的オートファジー(リポファジー)について解明するために、脂肪滴特異的に局在する配列を用いて、pHluorin-mKate2タグを脂肪滴に局在するプローブを作成した。しかしながら、飢餓誘導、ラパマイシン処理、Torin1処理によりオートファジーを誘導しても、脂肪滴に局在する蛍光タグはリソソームへの移行を示すデータが得られなかった。オレイン酸などで脂肪滴を誘導した後に、オレイン酸除去による脂肪滴の分解を誘導した場合も、脂肪滴に局在する蛍光タグはリソソームへの移行を示すデータが得られなかった。リポファジーに関しては、最初の報告以降、本当に存在するのか否かの議論が絶えないが、今回のプローブではリポファジーを示すデータは得られなかった。今後、リポファジーの有無も含め慎重に検討する必要がある。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
International Journal of Molecular Sciences
巻: 20 ページ: 1711
https://doi.org/10.3390/ijms20071711
Biochemical and biophysical research communications
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https://doi.org/10.1016/j.bbrc.2018.11.158