化合物を基礎として生命科学の研究を進める上で、化合物の細胞内標的の同定は、非常に重要だがとても困難な課題である。本研究では、プール型shRNAライブラリーを用いたスクリーニングによる遺伝学的解析を効率化して、化合物の標的同定と関連パスウエイの同定に用いた。この方法で海洋天然物オーリライドBの解析を行った結果、ナトリウムポンプの触媒サブユニットATP1A1蛋白質が細胞のオーリライドBに対する感受性を決める因子であることがわかった。ATP1A1蛋白質の阻害剤ウアバインをオーリライドBと共に細胞に作用させると、単独の場合よりも低濃度でオーリライドBが細胞増殖抑制を引き起こした。
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