研究課題/領域番号 |
15K12786
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
宮地 歌織 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 客員研究員 (40547999)
|
研究分担者 |
西田 裕一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (50530185)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 高齢者 / 女性 / ケニア / 農村 |
研究実績の概要 |
本研究では、二ヵ所(クワレ県、キシイ県)における高齢女性を対象とし、昨年度の課題だった調査許可書も大統領府ならびに各県でも取得することができた。クワレ県ではライフコーダ(生活習慣測定器)を用いた本調査を終えることができ、キシイ県では予備調査を終え、概ね順調に進展している。 クワレ県での調査からは、農村部における女性の健康問題、社会問題を把握することができた。例えば娘や息子が都会や海外に出稼ぎに行き、一人住まいをしている高齢女性や、寝たきり高齢者の世話を女性(娘や嫁)が行い、彼女らの身体的負担にもなっている。高齢者のケアは家族が行うべき、という社会的な認識があるものの、現実的には、高齢者の増加に伴って、ケニアでも徐々にケアの課題があることが浮かび上がってきた。 研究成果の点では、クワレ県における調査結果を国内外の学会等で発表をし、論文についても執筆することができた。文化人類学における高齢者を対象とする研究も少なく、またアフリカにおける高齢者対策はまだ進んでいないことから、本研究の発表(アフリカフォーラム/於:ウガンダ・マケレレ大学等)によって、アフリカ各国の研究者の関心を集めることとなり、今後のアフリカ諸国における研究者との連携に寄与した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では二ヵ所を対象としており、クワレ県ではライフコーダ(生活習慣測定器)を用いた量的調査を実施できた。しかしキシイ県では、調査許可書を取得するのに時間がかかり、予備的調査しか実施できなかった。 クワレにおけるライフコーダを用いた調査では、この器具の特性から約2週間程度の日数が必要であり、また毎日装着についてチェックをする必要があった。クワレ県での経験から、ケニアで実施する際の注意点について把握できたため、キシイ県での実施の際には、それら注意点に留意し実施する。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度はキシイ県でのライフコーダを用いた量的調査を実施するとともに、インタビューなどの質的な調査を本格的に実施する。またクワレ県でのフォローアップ調査を行う。 本年度は最終年度となるため、それら研究成果について学会での発表、論文執筆を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度は本格的に量的な調査を始めたため、データ収集のための物品費の購入が多く、ほぼすべての予算を調査関連で支出をした。残額は8,000円であり、来年度の旅費等への支出に充てる。
|
次年度使用額の使用計画 |
来年度は最終年度であるが、主にフィールド調査、ならびに学会発表等で旅費の支出を予定している。
|