研究課題
GID当事者(FTM)5名にインタビューを行った。性の違和感を感じたのは、小学生から、中学生であった。そのきっかけは、恋愛対象が、同性の女性であったことや女子用の制服を着ることであった。『好きになった人が最初女性だった。初恋が女性(E)』『性の違和感一番は中学のときです(C)』『スカートが本当にいやで(B)』などであった。制服については、対象者の全てが、女子用の制服の着用に抵抗を持っていた。制服については、男女が同じ形状のズボンの着用を可能にする対応が有効と考える。カミングアウトでは、2名は、友人や教員へ行えていた。一方、3名は、カミングアウトできずに孤独感などを感じていた。『本当は誰にも言えない孤独感みたいなのはずっとありました(A)』『女性として生きるしかないとカミングアウトできなかった(B)』カミングアウトできた者は、中学からの友人が身近にいることでカミングアウトができていた。このことから、高校では入学前に性別に違和感がある場合や性同一障害(以後GIDとする)である場合は、その情報を受けとり、該当者と同じ中学の出身者を同じクラスにする対応が有効と考える。また、今回の対象者の1名は、養護教諭からGIDに関する書籍を借りることで、自分の状況を受け入れることができた。『自分は本当の男にはなれないと悩んで保健室へ行ったこと(C)』『こう言う本があるよっていうので本を出してくれて、そこで知識を得られた(C)』であった。教員が当事者の状況を受け入れている場合では、『どっちでいくのか、どっちで授業を受けたいのかは言われた(E)』『選択肢は与えてくれましたね。どの授業でも(E)』といった授業内容の選択肢を挙げてくれる配慮があった。このことから、関連書籍の配置や教職員の知識を向上させる必要性があると考える。今回のインタビュー内容から、高校生の当事者への支援の内容をまとめた。
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