研究課題/領域番号 |
15K12800
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
佐野 直子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (30326160)
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研究分担者 |
浜本 篤史 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (80457928)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 聞き書き / 地域づくり / オーラルヒストリー / 域内観光 |
研究実績の概要 |
本研究は、「聞き書き」による成果物そのものではなく、その実践過程において生まれる「地域おこし」の担い手育成などの諸効果に着目している。最終年度である平成29年度は、当初の計画通り、愛知県高浜市を主なフィールドとした住民参加型の「聞き書き」の手法開発をおこないつつ、高浜市以外の国内外における実践経験を取り込みながら、この手法を発信するためのテキスト作成・刊行をおこなった。 その過程で各地の地域活性化事業に関わっている方々を招聘し、2017年12月9日に「第7回地域 づくりセミナー」、2018年1月31日には座談会を名古屋市立大学で実施した。これらの知見をもとに編纂した冊子が『「聞き書き」で地域をつくる』であり、電子書籍として3月3日に公開した(https://www.region-ncuhum.com/projectから閲覧・ダウンロード可能)。佐野(研究代表者)は、並行してフランスでのNPO教育団体の担い手育成の様相についての聞き書きを実践しており、その成果を2017年7月13日に国際オクシタン語学会で発表した。 平成29年度には、高浜市において約40年ぶりとなる市誌編纂事業が立ち上がった。同事業は「市民が参加する市誌づくり」をめざして、 市民に対する「聞き書き」実践を組み込むことから本研究と関連が深く、佐野(研究代表者)は、同市の依頼を受けて市誌編纂事業に参画し、「聞き書き」 プロジェクトを企画立案・実施し、市誌資料として刊行した。これを通じて、地元主体の「聞き書き」活動の効果や、自治体主体の活動の利点や難点なども把握する経験を得ることができ、上記の冊子作成において有意義であった。 全体として目標であった冊子刊行を果たすことができ、電子媒体版は公表1か月で約1200ビューを集めるなど、「聞き書き」の効用について社会的関心を喚起することができたのではないかと思われる。
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備考 |
「聞き書き」を利用した地域活性化について、その手法と事例をまとめた電子書籍型冊子を刊行した。
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