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2015 年度 実施状況報告書

九州における多地域間連携「共創」観光地域づくりに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K12806
研究機関大分県立芸術文化短期大学

研究代表者

宮野 幸岳  大分県立芸術文化短期大学, その他部局等, 講師 (90626970)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード観光地域づくり / 地域間連携 / 価値共創 / 顧客志向 / 越境する顧客
研究実績の概要

本研究の目的は大きく二つから成り立つ。一つは、多地域間連携による観光地域づくりを進めるための主要因(キーファクター)と発展過程(プロセス)を明らかにすること、二つ目は、こうした多地域間連携による観光地域づくりを進める基本的視点として、顧客の体験価値に着目し、顧客との共創による価値創造における理論構築を図ることであった。研究初年度の本年度は、多地域間連携による観光地域づくりの基本的視点である後者の研究課題に取り組んだ。
具体的な研究成果として、論文『「越境する顧客」との共創による観光地域づくり』をとりまとめた。多地域間連携による観光地域づくりは、地域間連携によって観光体験の価値向上を行っていくことが主旨となる。本稿では、行政区域を越えて顧客(観光客)が移動している実態を明らかにした。また、観光体験の価値形成は顧客自身が行っているという視点から、従来の観光地域づくりへの批判として、「顧客志向」を踏まえる必要性を指摘した。
なお、本年度の予定として、海外調査(ニュージーランド)を予定していたが、当該国において2016年2月14日にM5.8の地震が発生した。当初、本務校における春期休業を用いて海外調査のスケジューリングをしていたものの、ヒアリング調査先等訪問先における震災対応を優先的に考慮し、海外調査は次年度に延期した。しかし、従来の研究を論文としてとりまとめ、次年度以降の研究フレームワークを構築できたこともあり、おおむね、研究計画は進展しているといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の主旨である多地域間連携による観光地域づくりに関する研究は、地域間連携の「共創」による価値創造を図ることで、魅力ある広域的観光地域づくりを進めるための知見を見出すことにある。その前提として、本年度の研究では、実際の観光客が単独の観光地だけでなく、複数の観光地を訪問していることを明らかにした。また、従来の観光地域づくり論では蔑ろにされてきた「顧客志向」の観点を踏まえた論考を行い、これを論文としてとりまとめることができた。
この論文では、今後の研究を進めるにあたっての課題整理も行い、これにより、次年度以降の研究を進めるためのフレームワークを構築することができた。海外調査は地震の影響を考慮して次年度に延期したものの、研究フレームワークに基づく調査を行っていけるものと思われる。

今後の研究の推進方策

本年度にとりまとめた論文は、査読付き論文としての投稿を予定している。また学会活動やフォーラム等において、本年度の研究成果を公表し、批判的見地・反証も加味しながら、論考を深化させていく予定である。現時点では、地域デザイン学会や日本観光研究学会での発表を予定している。
併せて、当初は本年度に実施する予定としていた海外調査(訪問国の地震を考慮して延期)を行い、先進事例の収集と、これら先進事例の下支えとなる学術的知見を得る。
また、当初研究計画として示していなかったものの、顧客の移動特性データを精緻に取得するシステム開発を行い、このシステムによって得られるデータから帰納的に導かれる論考を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度予定していた海外調査を次年度に延期(訪問国の地震により延期)したため、次年度使用額として計上している。

次年度使用額の使用計画

訪問国におけるヒアリング先との連絡を取り合いながら、適切な調査日程をスケジューリングし、次年度、海外調査を実施する。
なお、本年度において既に次年度以降の研究にも着手しており、次年度において、書籍等物品購入に係る経費は抑制できる。このため、海外調査実施に伴う旅費は、問題なく支出できる計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 「越境する顧客」との共創による観光地域づくりに関する研究報告2016

    • 著者名/発表者名
      宮野幸岳
    • 学会等名
      地域デザイン学会
    • 発表場所
      西南学院大学
    • 年月日
      2016-07-02 – 2016-07-02

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公開日: 2017-01-06  

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