本研究は、従来、都道府県や市町村といった行政範囲に基づいて取り組まれることが多かった観光地域づくりに対して、九州全体の一体的な発展の方向性を見出す観点から、多地域間連携による観光地域づくりにおける構造の理解とともに、地域経営的観点からの発展要因を探った。多地域間連携による観光地域づくりを考察する視点として、九州を周遊し、行政区域の境を「越境する顧客」として訪日外国人観光客の動態に着眼し、ビッグデータの解析により周遊動態を明らかにした。九州における訪日客の周遊形態は各地域行政境を越えて大きく東西2つの三角形で構成されていることが分かり、この周遊形態に合わせた観光地域づくりの課題等を明らかにした。
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