研究課題/領域番号 |
15K12808
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
栗原 隆 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (30170088)
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研究分担者 |
辻元 早苗 有明教育芸術短期大学, 芸術教養学科, 教授 (20155378) [辞退]
鈴木 光太郎 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (40179205)
宮崎 裕助 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40509444)
白井 述 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (50554367)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 気分 / 生命感覚 / 即興 / 感興 / 雰囲気 |
研究実績の概要 |
2015年5月15日(金)に東京・田町「キャンパスイノベーション・センター」で、栗原 隆が「一者の影――ティエデマンを介してプロティノスが、ヤコービを介してブルーノが」を発表、その後、『生の倫理と世界の論理』の執筆者による合評会を実施した。9月10日(木)に新潟大学総合教育研究棟「カンファランス・ホール」にて、栗原隆が「一者の影――ヤコービによる「ブルーノからの抜き書き」の思想史的な意義について――」を、納富信留が「プラトン哲学と現代」を発表した。11月13日(金)には、新潟大学総合教育研究棟「カンファランス・ホール」にて栗原隆が「ヘーゲル『精神哲学』の基底と前哨」を、石原あえかが「1800年前後のドイツ近代天文学とゲーテの関与」を発表した。2016年1月18日(月)には、新潟大学総合教育研究棟「カンファランス・ホール」にて栗原隆が「ヘーゲルにおける電気と磁気」を、古田徹也が「形態学としてのヴィットゲンシュタイン哲学――ゲーテとの比較において」を、番場俊が「観相学、エイゼンシテイン、そして私たち」を発表した。 研究内容としては、『生の倫理と世界の論理』(東北大学出版会、338頁,2015年3月)を刊行、このなかで、「『生』の淵源とその脈路――青年ヘーゲルにおける『生』の弁証法の源泉――」(215~242頁)を執筆した。さらに「若きヘーゲルと心理学――『導入教育』もしくは『精神哲学』への旅発ち――(『人文科学研究』第137輯、2015年、1~25頁)、そして「『生』の諸相とその展開――ヘーゲルにおける生の交流とその気脈――」(『シェリング年報』第24号、2016年、印刷中)において、ヘーゲルにおける『精神哲学』の基底を、青年期の生の思想に見定めるとともに、生命感覚こそが『自然哲学』と『精神哲学』との連続性を成すとともに、即興や感興の器官であることを解明しようとしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
それぞれに研究展開の進捗は順調であり、当初、予想された成果を着実にあげることができているものと見込まれる。ただ、有明教育芸術短期大学が学生募集を停止したことに伴い、教員を整理解雇することになったことにより、研究分担者の辻元早苗教授が、分担者の資格を喪失、今後は研究協力者として、即興の機序を解明するための実演を担うこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
5月21日(土)に、新潟大学駅南キャンパス「ときめいと」講義室Aにて、国際シンポジウム「1800年頃の哲学と人間学(Philosophie und Anthropologie um 1800)を開催、Takashi KURIHARA(Niigata Univeristtaet):Grundlage und Vorarbeiten zur Philosophie des Geistes von Hegel.――Paul Ziche(Utrecht Univeristaet):Der Mensch zwischen Natur und Kunst.などの提題を通して、環境や空間の「間」にいて、精神と身体の「間」に生きる人間のあり方について検討する。 また、5月15日(日)に、京都大学で開催される日本哲学会第75回大会にて、栗原が「一者の影」を発表、感性的認識から精神的直観へと到る、人間の認識の「階梯」について明らかにすることを通して、即興や感興の主体となる人間の「間」的な性格を際立たせる。
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次年度使用額が生じた理由 |
シンポジウム開催の際に招聘した講演者の交通費を算出する際のルートの違いによって。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度5月21日に、新潟大学で国際シンポジウムを開催するので、その際の学生アルバイト代などに使用する予定である。
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