本研究は仏教美術の画像データのデータベース化とその公開、テキストデータの統一的フォーマットへの統合作業というふたつの柱を持ち、それぞれについて研究を進めてきた。研究期間全体を通じて、いずれについても一定の成果を得ることができた。とくに、仏教美術に関する画像データベースを作成し、公開したことで、当該分野の研究環境を著しく進展させ、それを中心とした学際的研究の基盤が整備され、汎アジア的な仏教美術研究という研究全体の目標がある程度達成された。さらに、これらの成果として、アジア全域を視野に入れた密教美術に関する総合的な研究書を複数刊行することで、研究成果の社会への還元を積極的に行うことができた。
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