研究課題/領域番号 |
15K12814
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
林田 康順 大正大学, 仏教学部, 教授 (50384681)
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研究分担者 |
小川 有閑 大正大学, 地域構想研究所, 研究員 (20751829)
弓山 達也 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (40311998)
高瀬 顕功 大正大学, 地域構想研究所, 助教 (90751850)
岡村 毅 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10463845)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 宗教の社会貢献 / 認知症 / バーンアウト予防 / スピリチュアルケア / 高齢者ケア / 看取り / 臨床宗教師 / 臨床仏教師 |
研究実績の概要 |
すでに高齢化率が20%台後半に突入し、年間死亡者数も増加の一途をたどる我が国は超高齢・多死社会といえる。そのなかで、これまで老病死を扱ってきた僧侶がどのような役割を果たしうるかを明らかにすることが本研究の目的である。 多死社会では様々な領域で課題が現れてくるが、ここでは認知症を中心とした高齢者ケアの領域を対象とした。対象選定の理由として、認知症急増への対応は喫緊の問題となっていること、看取り加算の導入等によって高齢者福祉施設での看取りが増加傾向にあること、福祉施設スタッフのバーンアウトが懸念されていること、また、社会実装を視野に入れた際に医療機関よりも僧侶との協働への垣根が低い傾向があることなどがあげられる。 そして、高齢者ケアに従事するケアスタッフの僧侶との協働へのニーズを探るため、ケアスタッフへのアンケート調査を2017年5月から8月にかけて、関東地方の10施設(医療施設2、高齢者福祉施設8)の協力を得て行った。方法は留置式、自記式で、配票数338に対して、有効回収数323であった。質問紙の構成は大きく分けて、①スタッフが勤務する施設での取り組みについて、②高齢者ケアの経験・考え方について、③僧侶との連携の経験・考え方について、④属性についてである。質問紙作成にあたっては、仮案の段階で、ケアスタッフ4名に質問紙への回答も含めたフォーカスグループインタビューを行い、その結果をふまえて看護研究の領域で用いられるケア態度尺度やバーンアウト尺度も採用することとなった。こうした質問紙デザインはスタッフ個人の経験・考え方・属性等を分析の変数とすることを念頭に置いたものである。 そして、アンケートを分析した結果、①ケアスタッフのなかに仏教者との協働のニーズがあること、②信仰の有無とケアへの前向きさの相関関係があること、③宗教がバーンアウトの保護因子となる可能性を明らかにすることができた。
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