研究課題/領域番号 |
15K12815
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
住家 正芳 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (60384004)
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研究分担者 |
鈴木 健郎 専修大学, 商学部, 准教授 (40439518)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 宗教 / 近代中国 / Chinese Recorder / 教務雑誌 |
研究実績の概要 |
本研究は、近代中国でもっとも長命の英文雑誌であったChinese Recorder誌(The Chinese Recorder and Missionary Journal、中国名『教務雑誌』)を分析の軸とすることによって、19世紀後半から20世紀前半にかけて、キリスト教が近代中国の諸宗教に及ぼした具体的な影響を明らかにしようとするものである。平成28年度は、研究の第2期として、20世紀初頭から1922年までの記事を中心に研究を行った。分担内容は、引き続き、住家(研究代表者)が儒教および知識人層、鈴木(研究分担者)が道教、シッケタンツ(研究協力者)が仏教、宮田(研究協力者)が民間信仰および秘密結社とした。研究会では、各自の担当領域の記事について発表および討議を行い、情報共有をはかった。平成28年度中に法藏館より、シッケタンツの単著『堕落と復興の近代中国仏教: 日本仏教との邂逅とその歴史像の構築 』が刊行された。当初、1923年以降の記事については平成29年度に検討する予定であったが、平成28年度中に大まかな検討を終刊号まで進めることができた。その中で、焦点を絞るべき論点を改めて検証し、詳細に検討すべき記事の選定を行う必要があることを確認した。住家がJournal of Religion in Japan誌に発表した論文”Behind the Mask of the Secular: Habermas’s Institutional Translation Proviso and Japanese Court Cases"は、直接Chinese Recorder誌に関係する研究成果ではないが、今後の研究上の論点の検討につながるものとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定の分量を超えて、Chinese Recorder誌全体の記事の検討を進めることができた。一方、各記事を分析する際の研究上の論点については、さらなる工夫が必要であるとの認識にも至っており、研究全体としては、おおむね当初の計画通りの進捗状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、まず記事分析における研究上の論点をさらに洗練させることを目指す。そのうえで、各自の担当領域について、Chinese Recorder誌の全刊行期間の中から、詳細な分析の対象とする記事を選定するとともに、周辺資料を含めた収集ならびに分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は当初の予定よりも旅費を低くおさえることができたため、残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度の残額については、平成29年度における研究会開催および海外における資料収集のための旅費として使用する計画である。
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