研究課題/領域番号 |
15K12834
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
宮永 美知代 東京藝術大学, 美術学部, 助教 (70200194)
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研究分担者 |
本郷 寛 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (00190265)
楜沢 順 千葉商科大学, 政策情報学部, 教授 (50337713)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 宇宙 / 人体 / 触覚 / 美術 / 無重力 / 衣服 / 四季 / ファッション |
研究実績の概要 |
展覧会に向けての作品制作がメインとなった。 宮永は、1)「The Human body in space」で、無重力での人体と未来の人体を2体の裸像を薄布に包み込みイメージを喚起させる手法で制作、2)「μG-chair」で、地球上では再現不可能な宇宙に浮遊する感覚に限りなく近い感覚を得られる椅子を制作、3)「Space clothes in four seasons」で、宇宙での長期滞在において減少する触覚感を補完し地球のリズムとして人類が感じている四季を盛り込んだ服を提案、4)「Space cocoon」で、狭小限定空間である宇宙船内でプライバシー確保と共に触覚感を補完する多様な柔、張、硬、滑のニュアンス豊かな触覚感を感じる素材を用い、寝袋、もしくは小部屋ともなるオブジェを制作した。触覚感の多様性を鍵に制作した。 楜沢は、1)「Gravity of the body 1- 立つ」で、4畳半的空間に巨大なクッションを準備しVRゴーグルを用い、体験者が人間衛星となる宇宙の没入感ある映像を投影し、自ら立つという行為=地球上のGを感じることによって、地球に帰還する作品を制作、2)「Gravity of the body 2- めまい」で、プロジェクションされた映像の下に立つ自分が立ち続けられない眩惑を生じさせる作品を制作した。 『宇宙と美術と人体と』の展覧会は、2016年9月15日から23日の9日間、東京藝術大学大学美術館陳列館で開催し、雨中2500人もの来場者を迎え、専門家内外に対して広く社会発信をした。 人間が五感で捕えた情報を組み合わせ、身体を通してまったく違う次元に落とし込むことで、宇宙、ひいては地球に生きる本質を見えやすくする新たな価値を提示できたのではないかと考えられる。 12月にキャンベラでのANZACAで、宮永がNZの研究者とともに触覚の重要性についての研究発表を行った。
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