研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究では,まず,記家および記家文字の定義について,中世・近世の天台文献上の使用例から再検討を行った。次に,天台宗を中心に中世近世の写本資料を調査収集し,くずし字を分析した。その結果,いわゆる天台の記家文字と称された文字は,漢字の草書体を基本とする点では,天台宗独自ではなく他宗でも共通していた。しかし,仏教用語では,より大きくくずしたり,典型的な草書体ではなく,仏書独特の略字を用いてくずす場合もあることなどを確認した。また,今後の研究の利便のために,手引書の試案を作成した。
日本文学(中世文学、仏教文学)