本研究は、在英邦人女性を多角的・包括的に調査することによって、これから国内で増加が予測される国際結婚や移民との多民族・多文化共生の意識改革・方策を提案する事を目的とする。 概ね順調であったが、2016年の英国がEU離脱を問う国民投票で研究が大きく変化した。これまで英国で潜在化していた移民差別が明示的に生起し、日本人移民にも影響を及ぼした。調査の結果「社会変動期の新しい秩序」において移民は自らを「善良な移民」に位置づけ、招かれざる移民を生成する。つまり大枠組で見れば、差別の細分化が起こる。このことは既に到来している日本の移民社会のロールモデルの1つとして警鐘を鳴らす大きな成果と言えるだろう。
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