研究課題/領域番号 |
15K12883
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
松岡 里枝子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 研究員 (20469977)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療コミュニケーション / RIAS 分析 / ラポール / ポライトネス分析 |
研究実績の概要 |
若干遅滞している理由として別項目にも記載してあるが、倫理委員会の承認を受けることが極めて困難であり、当初計画した研究の内容を大幅に変更することを余儀なくされた、具体的には前向きでとる予定のデータを倫理的理由により、後ろ向き研究とすることとなり、本研究についての完成度を上げるために予定していた予備研究については、意義を理解してもらうことができず、本研究のみを進めることとした。また、7月26日よりベルギー国アントワープ大学にて行われた、第14回国際語用論学会(14th International Pragmatics Conference)において、協力研究者である中村正医学博士とともに'Medical discourse analysis of an expert physician and his clients with vertigo: Exploring the optimal communication styles to enhance the quality of medical practice''という演題で研究発表を行う予定であったが、倫理委員会からの承認を得ることに間に合わなかったため、発表内容を変更して、医療コミュニケーションについての先行研究やRIAS分析やPoliteness分析といった研究方法について発表した。多くの同様の研究発表に参加したことにより、当該研究の充実に益となる情報を入手することができた。また、「医療コミュニケーション研究会」や「めまい平衡医学学会」に参加し、当該研究の資となる知見を深めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属する国立国際医療研究センターの管轄する国立看護大学校における倫理小委員会から承認を得ることに莫大な時間と労力を費やしたことによる。時間という点では、4月に申請書類を提出し、最終的に承認されるに至ったのは10月の半ばで6か月以上の日数を要した。また、看護大学という特徴から、当該研究が対象とした医師と患者とのコミュニケーションを分析するという意義について理解してもらうのに困難を期した。特に患者への医師による強制力の行使という点に多大なる懸念を示され、その対策について勘案するのに多くの労力を必要とした。以上のことにより、実際の研究を開始することが遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、研究協力者の協力により倫理的に適切に得られたデータを音声解析し、RIAS分析およびPoliteness分析を行い、いかなるコミュニケーションの仕様が、患者とのラポール形成に有効であるかを解明する。その研究成果を2016年6月にジョージア国トレビシ国立大学で開催の国際応用言語心理学会で発表する予定である。なお、国際学会での発表結果を踏まえ、論文の執筆に執りかかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会への旅費について、研究協力者の機関であるクリニックが支出したため、当初の予定より減額となった。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年に研究発表をジョージア国で開催される国際応用言語心理学会で発表する予定であり、その際に要される旅費に該当させる。
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