医療コミュニケーションの質を向上することを念頭に、具体的なデータに基づいた研究を6月に行われた国際言語学会(International Society for Language Studies)において研究協力者の中村正医学博士、および同志社大学のPoole教授とともに行った。結果、各国からの研究者と深い議論を交わすことができた。また、11月には、JALT Journal of Japanese Language EducationのVol.14に Medical discourse between an expert physician and his patients at an outpatient dizziness examinationというタイトルの論文を掲載するに至った。内容については、実際のめまい外来の医療コミュニケーションについて、RIAS分析およびPoliteness Theoryを用い談話分析を行った結果、[laughter]がコミュニケーションの質を高めRapportを構築することに貢献し、[overlappping]がコミュニケーションを破綻させる可能性があり従ってRapport構築を困難にすることを示した。これらの研究発表を通して、実際に医療現場においてRapport構築を目指すには可能な限り[laughter]をもたらす努力が功を奏すであろうことを示唆した。
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