衝動性に関連する認知機能と関係性を調べた。とりわけ、注意や予測にかかわる実行系機能は抑制機能と関連があり、衝動性行動の抑制のためには重要である。言語的意味処理に意識を向けると、脳活動(事象関連電位)がより長く持続し、意識が言語脳活動を増強することが分かった(研究2)。言語的予測はデフォルトで働き、遅くまで持続性の脳活動を強め、予測が正しいとその活動が収束した(研究3)。行動実験では、衝動性は内的リズム嗜好性と関係し、抑制課題成績と意味判断特性に相関関係が見られた(研究4)。今後は、意識や予測に関わる言語脳活動を増強し内的リズムを調整することが、衝動性の抑制に有効であることを確認する必要がある。
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