本研究プロジェクトは、本来は2017年度で終了するはずであったが、それを1年延長して、2018年度までと変更したのは、2017年度の末に公表した最終成果(英語論文1編、論文集1冊)を踏まえて、本研究プロジェクトのテーマでもある「国際的展開」をさらに推進するためである。 この趣旨に沿って、2018年度に2度(2018年10月6日(土)、2019年2月16日(土)~17日(日))、京都大学で研究集会を開催した。今年度の予算は、すべてこの集会の準備のために費やした。 いずれの集会においても、「面白い話」コーパスに現れている特定の韻律や発話形式だけでなく、「面白さ」を生み出す話し手の即時的な会話能力(プロフィシェンシー)論、状況との組み合わせ(発話タイミング)論、さらに、背景的な文化、「面白い話」データの利用可能性など、論文や論文集でも取り上げられた問題がさらに深く議論された。 特に、文字どおり本研究プロジェクトの最終局面で開催された2019年2月の集会では、国内外から有力な研究者たちを招聘することができ、2日間にわたる集中的な議論を通して、話の面白さや、話すスキルに関する世界的な研究者の人的ネットワークを形成することができた。これは、新しい若手研究世代の育成という観点においても、大きな効果を挙げたと考えている。 「面白い話」コンテストも第9回を無事に終了することができ、次回の第10回に向けての準備を進めている。この回には、上記の人的ネットワークを活用し、これまで以上に海外からの参加を計画している。
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