本研究は現代社会の中で、日本、日本人、日本語の概念が個人とどのように関わり、アイデンティティの形成を支えるのかを、日本語教育と社会言語学の視点から調査・考察したものである。高度経済成長期以降に欧州に渡り長期滞在・永住する日本語話者を対象とし、高齢の国際結婚女性vs.子育て世代の国際結婚女性、永住日本人の親世代vs.2世・3世の子ども世代の、日本語の保持・継承、アイデンティティに関する質的研究、在英日本人会への質問紙法の量的研究を行った。さらに本領域に関心をもつ教育者・研究者らと国際学会で毎年パネルを組んだほか、最終年には欧州各地でワークショップや講演を行い調査・研究ネットワーク形成に努めた。
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