研究課題/領域番号 |
15K12908
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
BYSOUTH DON 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (20603129)
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研究分担者 |
池田 佳子 関西大学, 国際部, 教授 (90447847)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 遠隔コミュニケーション / 国際交流 / 外国語教育 / 異文化間対応能力 |
研究実績の概要 |
本研究では、昨今国内で新たな国際教育実践として進出しつつある「オンライン国際交流学習活動(Collaborative Online International Learning)」に焦点をあて、その中で用いられる各国から複数学習者が同時に参加できるWeb会議ツールを介したコミュニケーションを ①相互行為(会話)としてのオーセンティシティ(真正性)②会議ツールによって促進または阻害・制限される対話の展開上の要因③(外国語によるコミュニケーション能力の養成を目的とする)教育的活用場面としての実質的な教育効果という3つの側面から検証する。本年度は、関西大学(分担者の所属機関)で実施された合計4科目において実施されたCOIL授業の記録を動画・音声にて収録し、一部の収録された授業談話の考察を行った(①と②に相当)。平成28年度は、③に焦点化し、COILの効果検証ともいえる教育上の学習効果がどのぐらい期待できるのか、複数の検証方法を導入して遂行する計画である。本年度は、COIL導入科目合計4科目について、動画収録システムを活用し、学生の活動を記録し、一部のコミュニケーションデータの分析を開始している。COILは非同期型のコミュニケーション(LINEやFACEBOOKを用いたもの)や、同期型(SKYPEなど)のコミュニケーションがあり、分析を行う上で分類と設定の把握を行宇必要がある。それぞれの中でどのような相互行為が展開しているのかを、会話分析およびエスノメソドロジーの手法を用いて調査を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記に述べたように、2年間の研究期間にてまず①と②を初年度の後半と次年度の前半に遂行し、③については2年目(最終年度)に対応するという当初のペースをおおよそ保持できているため
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる次年度(平成28年度)は、以下の活動を遂行する。
(1)外国語によるコミュニケーション能力の涵養を実質的な教育効果の一事例として扱い、検証の手法として、ACTFL(北米外国語教育協会)が開発したコンピュータ・ベースの「OPIc(Oral Proficiency Interview)テスト」を国際遠隔交流学習の事前事後に参加学生に受験してもらい、能力の伸長を測定する。(2)学期途中と学期終了後に行ったfocused group interviewの談話データを文字化し、異文化体験に対する受講生の考え方や、近未来に留学派遣を希望しているかどうかなどの志向の変化を定性的に考察を行う。(3)研究成果をまとめ、国内外の学術論文として投稿をする。国際学会における発表も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
既存のデータ保存機能を持つPC機器および収録機材が本研究の初年度に使用可能であったため、予定していた予算の一部を使用する必要がなかったことが大きな要因である。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度については、データをアーカイブ化し、そのデータの編集においてアルバイト謝金の必要性と、アーカイブしたデータを保存・共有する機材の購入が必要となる。さらに、最終年度として、成果発表を行う上で国際学会における支出が予定されている。
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