Automated Writing Evaluation System (以下、AWE System)の信頼性を明らかにし、教育現場へどのように応用するべきかについて具体的な提案を行うことを目的として本研究を実施した。本研究ではEducational Testing Serviceが開発したCriterionを研究者が授業内で使用し、データを収集した。他のAWE Systemについては分析の対象としていない。 Criterionを授業内で使用し、収集したデータを分析した結果、(1)受講生はCriterionからのフィードバックを概ね好意的に受け止める、(2)Criterionがgrammar、usage、mechanics、styleについて提供するフィードバックは学習者がフィードバックに基づいた書き直しを行う際に役に立つがorganization & developmentに対して与えるフィードバックは学習者のニーズにマッチしていない、(3)Criterionが提供するフィードバックに基づいた書き直しを行うことによって学習者のエッセイの質が向上する 、という3点が明らかになった。 AWE Systemは学習者の書いたエッセイの意味内容については一切、フィードバックを提供しない。これができるのは教員だけである。教師とAWE Systemが相補的な役割を担うことによって効率的なライティング指導が可能となる。(1)教師がエッセイの内容について好意的なフィードバックを提供する、(2)Criterionが形式に対するフィードバックを提供する、(3)書き始める前にエッセイの構成について明示的に指導する、という方針でライティング指導を行うことによって学習成果を担保するライティング指導が可能であることを示した。
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