研究実績の概要 |
本研究の最終年度である平成28年度は、前年度まで行ってきた録音データの分析およびアンケート結果の分析に引き続き取り組んだ。韓国人母語話者と日本人初級学習者の韓国語リーディングにおける音響的特徴(発話速度、調音速度、ポーズ)を比較し、その研究成果を国際韓国語教育学会(第26回国際学術大会, 2016/8/7)において発表を行った。そして、韓国語母語話者と日本人韓国語初級学習者の「分かち書き」の使用実態についても論文としてまとめて発表した(『韓国語教育研究』第6号, 7-30, 2016, 日本韓国語教育学会)。これらの研究を通して、日本人韓国語学習者の韓国語表記における使用実態を実証的に分析し、全体像を解明するためには今後さらなる大規模な資料収集・分析が必要なだけでなく、さらなる長期的な追跡調査を推し進めていく必要があることを認識できた。当初の計画では、韓国語リーディングにおける流暢性向上のための新たな表記指導モデルの開発することを予定したが、期間内には実施できなかった。本研究課題は今後も継続して研究を進めていきたいと考える。
|