英語の授業を支援するシステムといえば、eラーニングを中心に様々なものが開発ざれ、実用化されているが、ほとんどが決められたタスクを決められた順序で進めることが前提となっており、そこに、教師が簡単にコンテンツの内容や提示順序を変更したり、追加したりすることはできない。また、その多くは個別学習や自学自習には向いているが、教師が授業目標や学生の特性を見極めながら、協調学習タスクをシステムに盛り込むことは、従来のeラーニングはきわめて限定的にしかできなかった。今回の研究により、個々の学習コンテンツや学習機能をモジュール化し、教師が授業の前にモジュールを自由に組み立て、授業設計することを可能とした「モジュール組立型eラーニング」の開発と、それを使った指導方法の研究を目指した。 今回開発したシステムにより、教師は自分の授業を目で見ながら組み立てる。学習者はできあがった授業のフローを見ることができる。教師、学習者双方に授業デザインが可視化される。これは従来のeラーニングではできなかったことである。 教師は、まず教員用画面で、学習モジュールを組み立てることから始まる。できあがった授業フローは、学生も教師も「授業の進行状況」で、今取り組んでいるタスクが、授業全体の流れの中でどの位置であるかが一目でわかる。タスクの種類は、多肢選択や空所補充問題のようなeラーニング型のもの、フォーラムやファイルダウンロードのような情報共有型のもの、アンケートやディスカッションエリアのようなSNS型なもの、小テスト機能など種多様な学習モジュールを用意する。 この方式により、授業に新たなアプローチが可能となる。また、単にドリルをさせるのではなく、フォーラム(BSS)やチャット、アンケートなどコミュニケーションツールを使うことで、様々な授業のアイディアが生まれる環境を作り上げることができた。
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