研究課題/領域番号 |
15K12920
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
高橋 和子 明星大学, 教育学部, 教授 (00279241)
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研究分担者 |
佐藤 玲子 亜細亜大学, 国際関係学部, 教授 (20735039)
伊藤 摂子 東洋大学, 文学部, 助教 (00755449)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 教員養成 / 小学校英語教育 / 英語力 / 小学校教員 / 指導法 |
研究実績の概要 |
本研究は,小学校英語教育と緊密に結び付いた大学英語教材の開発を目的としている。教材開発に際しては,以下の調査結果を踏まえる。①小学校現職教員の意識調査,②小学校現職教員のインタビュー,③従来の外国語活動・学習内容の洗い出し,④小学校教員養成課程に在籍する大学生の英語力。今年度は①と④の結果分析を行った。以下では,おもな分析結果を示す。 1)教員研修について:役に立つと見なされた研修内容として,指導法をあげる回答が多かった。また,英語力向上に関する研修が従来ほぼ行われてこなかった点も明らかになった。自分で受けたい研修の中に英語力向上をあげる教員が相当数いたことも特色である。また,小学校英語教育に特化した研修内容も必要ではあるが、中学校以降の英語教育との接続も視野に入れた研修の必要性を指摘する意見もあった。さらに,これらの意見を教員の英語習熟度レベルと重ね合わせて検討した結果,英語力の高い教員ほど英語力向上の必要性を感じる傾向にあることがわかった。 2)教員の不安感と学生の英語力について:現職教員の意識調査から,多くの教員が自身の不十分な英語力に対して不安感を抱いていることがわかった。そのおもな原因として、発音に対する苦手意識や文法知識・語彙力の不足があげられる。一方、将来小学校教員を目指す学生のテスト結果から、綴りに対する知識の不足と、英語の音に対する曖昧な認識がうかがえた。小学校教員や学生の英語力を向上させ、英語指導への不安を軽減するためには、今後の教員養成および教員研修において,上記のような問題点を意識的に取り上げる必要があることがわかった。 今年度は,上記の他,②のインタビューも実施した。平成29年度は,これらの調査を踏まえて英語教材の開発に努めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は,教員対象の意識調査と学生の英語力に関する調査の分析を行った。これらの分析を通して,どのような英語教材が求められているのか,概ねの方向性が明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は,現職教員のインタビュー結果を含めてこれまでの調査結果全てを総括する。また,次期学習指導要領が告示され,小学校3年生から6年生までの学習内容が概ね明らかになったため,これらの動向も踏まえて英語教材開発を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学英語教材を実際に作成するために必要な費用を,平成28年度は出費しなかったことが次年度使用額が生じた大きな原因である。 平成28年度は,教材を作成するための調査及び資料作成を優先した。平成29年3月末に公示された次期小学校学習指導要領や,同時期に示された教員養成課程コアカリキュラムの動向を踏まえる必要もあった為,実際の教材作成は平成29年度送りになったことが主な理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
教材作成のための経費(印刷代,見本教材作成・試用にかかる経費等)を支出予定である。
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