イギリス人のウィリアム・ペッペが1898年にインドで釈迦の遺骨を発見し、イギリス政府・インド政庁が1899年にタイ王室に寄贈すると、日本の仏教界は1900年にその一部を譲り受けた。覚王山日暹寺はそれを安置するために、1904 年に愛知県愛知郡田代村(現在の名古屋市千種区法王町)に建てられた寺院である(1942年に日泰寺に名称変更)。仏骨を納めるための奉安塔は1918年に完成した。しかし、日暹寺/日泰寺は日タイ文化交流の中心地の1つであるにも拘わらず、これまで研究者はほとんど注目して来なかった。本研究は、地方・宗教新聞や各宗派機関誌を分析することで、明治・大正期の日暹寺の歴史の再検討を行った。
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