研究課題/領域番号 |
15K12940
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
加藤 好郎 愛知大学, 文学部, 教授 (20748727)
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研究分担者 |
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10329592)
木島 史雄 愛知大学, 現代中国学部, 准教授 (50243093)
山本 昭 愛知大学, 文学部, 准教授 (50269304)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 国内・国外における蔵書検索結果 |
研究実績の概要 |
竹村文庫の資料分析と所蔵調査を継続し、他大学、他研究所等で所蔵の有無、および重要な文庫が検索によって確認することができた。作業の手順として(1)他機関の未デジタル化の資料の特定。(2)電子版の版の特定:電子化において重複されているものについても、それぞれ版、出版年、出版社を特定した。それには原本を確認できた図書館名が判明できればそれを記載することにした。(3)「レア・アイテム」の選定を、以前調査したWorldCatで検索できなかったものについて再調査を実施した。①竹内文庫のリストを基礎にして、所蔵調査を実施した。②5つのDBの優先順位を決め、国内・国外で検索の調査を実施した。(4)書誌情報の追加:言語、版の確認など、愛知大学の目録および現物では判明できない不備な情報を追加する方法で実施した。(5)竹村文庫の特性:言語、出版年、分野(主題)など、電子化する際に特に必要がある書誌情報の調査も行った。(例、地誌、地図に関して電子化が進んでいない点、言語別の電子化の必要性も考慮した。)(6)電子化:(3)で特定した「レア・アイテム」について、電子化の際、適切な方法として作業メンバー組織化し作業を開始した。その結果約910冊のうち、218冊が検索できなかった資料と確認できた。さらに、その精度を高めるためにOCLCを使用して検索を実施した。その結果、検索の再現率が高まり、検索できなかった件数が国内・国外を含めて9件、国外には所蔵がない資料が130件という確認ができた。来年度は、この130件をデジタル化する予定である。同時に、香港大学図書館の"China Through Westaen Eyes"のシステムの内容と状況を調査した結果に基づき、そのコンテンツと技術的な面で、愛知大学図書館の竹村文庫と近い将来マージする方向で、香港大学に出向き香港大学図書館で実地調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
愛知大学図書館が作成した目録データに基づき、すでにスタッフ等の研究によるNACSIS-CATによる国内の所蔵調査検索とWorld Catによる国外の所蔵調査をベースに、さらに精度を高めるために、主要なデータベース(BL,Hathi,Gallicia,Google等)で調査を行った。この時点で前述したとおり、910冊のうち3分の1まで絞り込むことができた。さらに精度を高めるために米国のOCLCに特化して所蔵検索を実施した。結果として、その約半分になる、218冊までに絞り込むことができた。しかしながら、当初、考えていたライヒマン文庫の分析と解題を行い、資料を特定したうえで、国内・国外の他大学、他機関との所蔵確認のための検索は進めることはできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
第一に、130件のデジタル化を行う予定である。このことにより、愛知大学図書館と香港大学図書館の横断的な電子化プロジェクトを実施することを考えている。香港大学は、プロジェクトではなくて、日常業務で、すでに165Title,196Volumesがすでにデジタル化されており、香港大学の"China Through Western Eyes"は、愛知大学のプロジェクト「欧州から見たアジアの歴史」を共有化できれば、多くの利用者に調査研究の情報を提供することができる。資料の内容は、中国が中心であるが、日本、韓国、シンガポール等のアジア諸国も含まれている。出版は、17世紀~20世紀のもので、他に所蔵のない稀覯書もある。言語は、ほとんどが英語であるが、仏語、オランダ語も所蔵されている。著者は欧州人が多いが、アジア紀行が中心であるので、前述の香港大学と愛知大学との技術的なマージは研究上として大きな役割を持つことになる。
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次年度使用額が生じた理由 |
竹村文庫の検索を2回に分けて実施した。910冊から218冊、最終的には130冊に絞り込むことができた。さらに香港大学図書館のプロジェクトを調査した。調査として、加藤、山本、塩山、木島の4名が香港出張旅費として支出した。その結果、香港大学と愛知大学のデジタル資料をマージすることで、ヨーロッパから見たアジアという見地からの歴史・評価を研究者に公開・提供することができる。次年度については、130冊のデジタル化を予定している。国内業者へ依頼する方向で予定しているが、技術的な面も香港大学が行っているプロジェクトと技術的な契約を行うことで、情報資源の共有化をすすめ、費用対効果の面も考えることができる。もし、香港大学との協定が進めば、香港大学からの研究者の受け入れ、愛知大学からの出張調査等に、予算の執行が必要になる。
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次年度使用額の使用計画 |
1200bpi程度のスキャンを実施する。できる限りOCRでの質をある程度維持する形で、さらに歪曲のひずみを処理することも視野に入れ、白黒データで公開することを考えている。画像(特に地図部門)は、専用業者にスキャンを依頼する予定。メタデータについては、目録データからのリンクとし、分類については、現在の愛知大学の分類、および件名については、他の分類表・件名表の移行も考えている。また、今後の推進方策で述べたとおり、香港大学とのプロジェクトを進めるうえで相互の出張も予定している。
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