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2016 年度 実施状況報告書

商人・難民ディアスポラと近世社会:トランシルヴァニアのブルガリア人とアルメニア人

研究課題

研究課題/領域番号 15K12942
研究機関一橋大学

研究代表者

秋山 晋吾  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (50466421)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードディアスポラ / トランシルヴァニア / ハンガリー / ブルガリア
研究実績の概要

プロジェクト2年目に当たる2016年度は、国外でのフィールド調査と収集史料の整理と論考発表を中心に研究を進捗させた。
フィールド調査は、2016年7月にルーマニア・トランシルヴァニア地方のクルージュ=ナポカ市、トゥルダ市、トゥルグ=ムレシュ市と周辺村落で行い、18-19世紀の文書館史料と集落・地形の調査を行った。
2015年度にハンガリー・ブダペシュトで収集した史料および予備調査段階にルーマニア・アルバ=ユリアで収集した史料群の整理、分析も計画通り進めている。とくに、ルーマニア、アルバ=ユリアのローマ・カトリック・トランシルヴァニア大司教座文書館のアルヴィンツ関係文書の分析を順調に進めている。ハンガリーでの文書館史料との連関作業も進めており、その関連成果の一部として、2017年2月に「18世紀中期ハンガリーの「ギリシア商人」居住地分布」(『移動がつくる東中欧・バルカン史』所収)を刊行した。これは、ハンガリー国立文書館に収蔵されているハンガリー総督府文書の1755年住民調査を分析し、18世紀前半にバルカン半島からハンガリー・中央ヨーロッパに移動する人々の移動パターン、居住パターンを数量的に明らかにしたものである。本プロジェクトのブルガリア人・アルメニア人ディアスポラの移動パターンとの関連分析の基礎的な作業として不可欠なものである。バルカン半島からドナウ川を越えてワラキアを経由してトランシルヴァニアに向かう移民のルートと、セルビアからドナウ川沿いにハンガリー大平原やペシュトやウィーンに向かう移民の流れとの関連の分析を進めている。
また、資史料整理は、科研費技術員として雇用している岩﨑巌の協力を得て行っているが、関連作業の一環として進めていた研究の成果が、2017年度初めに「史料としてのハプスブルク君主国『軍人職階表』」(岩﨑との共著)として『一橋社会科学』に発表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本プロジェクトは、予備調査において収集を開始しているルーマニア・アルバ=ユリア・カトリック大司教座文書館史料の分析を進めるとともに、関連史料の収集およびフィールド調査をハンガリー・ルーマニア等において行うことがベースとなる。2016年度に行ったルーマニアでの調査はその一環である。
また、成果の一部を2016年度内に1点発表し、関連論考1点も刊行準備段階にある。
プロジェクト最終年度である2017年度に行う史料収集を合わせると、プロジェクトの目標を確実に達成できる進捗状況である。

今後の研究の推進方策

プロジェクト最終年度となる2017年度は、ハンガリーおよびルーマニアにおける文書館史料調査・フィールド調査を行うとともに、収集した史料の分析・整理・論考としての発表のための作業を進める。国外での調査はすでに中心的な部分は終了しており、補足的に行うことになる。収集史料の分析は、今年度も科研費技術員の協力を得て進めていく計画であり、不測の事態による停滞は想定していない。可能な限り、年度内に成果の一部を発表できるよう努める。

次年度使用額が生じた理由

ルーマニアへの調査出張の日程が、計画より若干短くなったため、5万円強の次年度繰越が生じた。

次年度使用額の使用計画

2017年度(平成29年度)のハンガリー・ルーマニアへの調査出張にて使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 18世紀中期ハンガリーの「ギリシア商人」居住地分布―1755年調査記録から2017

    • 著者名/発表者名
      秋山晋吾
    • 雑誌名

      山本明代、パプ・ノルベルト編『移動がつくる東中欧・バルカン史』力水書房(図書所収論文)

      巻: ― ページ: 119-140

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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