本研究は、17世紀末にトランシルヴァニア(現ルーマニア)に定着したカトリック・ブルガリア人およびアルメニア人のコミュニティに関する文書史料を、おもにルーマニアのアルバ=ユリアの文書館およびハンガリーのブダペシュトの文書館において調査・収集・分析することを目指した。その結果、移民の定住に関連する特許状、移民・在地社会双方からの嘆願書、裁判記録、土地所有関連文書、出生・婚姻・死亡・改宗に関する教区簿冊等から成ることが明らかになり、これらの分析から、18世紀を通じた移民集団への社会的まなざしの変化の様相が明らかになった。
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