本研究は、圧痕の悉皆調査のために主分析法であるレプリカ法では検出できない潜在圧痕(土器器壁内に隠れた圧痕)をすべて検出する方法の確立を目指すものである。そのため軟X線機器を用いて潜在圧痕を検出し、それらをX線CT画像と比較して、同定の精度を得る。分析資料としては佐賀県嘉瀬川ダム関連調査の縄文時代後期から晩期までの土器800点を対象とした。 その結果、軟X線をベースにおいた潜在圧痕の検出法、それらの3D像化の流れを確立した。しかし、60点の圧痕に対して軟X線画像による植物や昆虫の同定の精度を上げるために、X線CTの3D画像を検証に用いたが、技術的にさらなる検討が必要であることが明らかになった。
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