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2015 年度 実施状況報告書

近世近代大阪の産業マップ作成

研究課題

研究課題/領域番号 15K12948
研究機関公益財団法人大阪市博物館協会(大阪文化財研究所、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、

研究代表者

杉本 厚典  公益財団法人大阪市博物館協会(大阪文化財研究所、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、, その他部局等, 研究員 (70344364)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード産業分布 / 都市 / 考古学 / GIS / 地籍地図 / 近代大阪 / 近世大坂
研究実績の概要

研究の初年度であり、これまでの研究成果を整理すると同時に、新たに地籍図の図面と台帳の入力を行い、基礎的なデータの収集に努めた。
これらの基本的作業を行うとともに次の研究を公表した。
1、「第Ⅳ章 都市の産業 第4節 『難波丸』と発掘調査成果の対比」大阪歴史博物館/大阪文化財研究所編『大坂 豊臣と徳川の時代-近世都市の考古学-』pp.192-195
豊臣期から幕末にかけての大坂の産業に関する発掘調査データと、文献の『難波丸』における産業記載とを比較対照し、産業分布について検討した。その結果、硯や墨などが文献では堺筋で入手できることを示しているが、生産は堺筋ではなくその付近で行われていたことを示し、生産と販売の場所が異なることを示すことができた。
2、「豊臣期から徳川期にかけての大坂の産業分布の変遷(予察)-発掘調査成果と『難波丸』、『難波丸綱目』との比較から-」大阪歴史博物館『大阪歴史博物館研究紀要』第14号pp.59-78
『難波丸』の後に刊行された『難波丸綱目』の産業に関する記載を、考古学の発掘データと重ね合わせて検討した。16世紀から19世紀にかけての産業分布の変化を整理し、ベンガラや鋳造・瓦生産など火を使う産業が、高津新地や上町台地など、都市の外縁部に生産拠点が移動する傾向を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた『大阪地籍台帳・地籍地図[大阪]1911年』の大坂三郷部分の地籍地図のトレースと台帳部分の入力を終え、近代の産業に関する文献データについても入力することができた。近代の産業に関する文献として『大阪市商工名鑑(大正10年)』を予定していたが、地籍図の記載内容に近い『明治三十六年三月一日改電話番号簿』と『大阪市商工業者資産録』(明治34年調)の入力作業を行った。考古資料については産業関連の遺物・遺構が出土した場所の一覧表と分布図の作成が終了した。一方、近代の地籍図を江戸時代の水帳と対比する作業が、やや遅れている。

今後の研究の推進方策

原データの『大阪地籍台帳・地籍地図[大阪]1911年』に、当初想定していた以上に不正確な部分があり、複数の丁をまとめて500分1の地図に合成する作業に支障をきたしている。『大阪地籍地図』は、丁が複数以上集まると図面の歪みと誤差が大きくなる傾向がみられる。一方、ひとつの丁のレベルでは、図面の歪みと誤差は目立たない。このため丁レベルで、江戸時代の水帳における敷地の対比および、発掘調査で見つかっている遺構や敷地境との対照を行う。さらに敷地や区画を単点データとして処理し、分布図の作成に用いるように修正する。これらの作業を踏まえて、500分1の丁レベルでの町家敷地複原図と1,000分1~10,000分1の単点データ図の二つのレベルで産業分布の傾向と特色を検討することを目指す。

次年度使用額が生じた理由

学会発表のための旅費を予定していたが、他業務とのスケジュールが合わず発表できなかった。

次年度使用額の使用計画

他業務との調整を行い、学会発表可能にする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 豊臣期から徳川期にかけての大坂の産業分布の変遷(予察)-発掘調査成果と『難波丸』、『難波丸綱目』との比較から-2016

    • 著者名/発表者名
      杉本厚典
    • 雑誌名

      大阪歴史博物館『大阪歴史博物館研究紀要』第14号

      巻: 1 ページ: 59,78

    • 査読あり
  • [図書] 「第Ⅳ章 第4節 『難波丸』と発掘調査成果の対比」 『大坂 豊臣と徳川の時代-近世都市の考古学-』2015

    • 著者名/発表者名
      大阪歴史博物館/大阪文化財研究所編
    • 総ページ数
      207
    • 出版者
      高志書院

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公開日: 2017-01-06  

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