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2017 年度 実績報告書

ダイバーシティ・マネジメントの民族誌的研究-企業活力の追求と人類学の可能性-

研究課題

研究課題/領域番号 15K12955
研究機関筑波大学

研究代表者

関根 久雄  筑波大学, 人文社会系, 教授 (60283462)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードダイバーシティ / 文脈化 / 現地化 / 海外展開 / 異文化理解
研究実績の概要

昨年度までの研究を通じて、国内企業のダイバーシティ戦略をアジア展開の文脈にしぼる方向性を確立し、近年アジア諸国に急速に拡大しているコンビニエンス・ストア(以下コンビニ)を対象とした。特にタイに進出する日系コンビニに注目し、セブンイレブンとファミリーマートについて、企業関係者へのインタビュー調査等をおこなった。平成28年度に実施した現地調査、平成29年度に行った国内でのインタビュー調査などで収集したデータ及び先行研究等から得られた知見に基づき、企業の海外展開において一般的に重要視される「現地化」指向をダイバーシティ・マネジメントの主要な構成要素と捉え、それに対する新たな分析概念として19世紀以降のキリスト教宣教の文脈においてたびたび取り上げられてきた「文脈化」概念を用いることの有効性を検討した。
キリスト教の宣教において、「標準化」された西洋的な神学的哲学や布教ノウハウを、非西洋社会の人々の見方から再構成し直す過程を文脈化と呼んでいる。その姿は、日本において標準化された経営哲学と商品開発や販売戦略をタイ社会に「移転」することと近似しており、それを日系企業側は一般に「現地化」と呼ぶ。そこにはタイ社会・文化を含む固有性を踏まえたダイバーシティの視点は希薄である。本研究では、そのような「現地化」路線を取る日系企業の姿勢を留保し、現地化に係る諸事象を「徹底して現地の人々の目線から眺める」文脈化の視点からアプローチすることによって、移転とは必ずしも同一ではない、社会的ニーズへの対応の様相を現地社会あるいは人々の側から浮かび上がらせることが可能になることを提示した。
具体的な成果として、アジア経済研究所の共同研究会において研究成果を発表すると共に、「現地化・土着化・文脈化-タイにおける日系コンビニエンス・ストアの海外展開に関する文化論的アプローチ-」を脱稿し、同研究所の論集に投稿した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 現地化から「文脈化」へ:日系コンビニエンス・ストアの海外展開における文化論的視角2018

    • 著者名/発表者名
      関根久雄
    • 学会等名
      アジア経済研究所研究会「日本型コンビニエンスストアの途上国展開と貧困削減」

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公開日: 2018-12-17  

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