研究課題/領域番号 |
15K12960
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
井上 敏昭 城西国際大学, 福祉総合学部, 教授 (00265521)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 実践人類学 / 先住民社会 / 伝統的手法 / 若年者 / アラスカ / 援助 / メンター / ソーシャルワーク |
研究成果の概要 |
この研究はアラスカ先住民集落社会が有するメンターによる伝統的教育方法を明らかにし、それを応用して若者を支援する制度を作ることを目指したもので、助成期間内に計4回の現地調査を実施し、①メンターによる若者教育はこの社会の文化伝承の鍵となっていたこと、②狩猟文化で重要な観察が重視されること、③現在でも文化伝承の場で応用事例があること、④この教育を享受機会で若者の間に格差が生じていることなどを明らかした。 これに基づいて検討作業を行い、①学校教育との両立困難、②メンター適任者の減少と彼らへの事前教育の必要性といった考慮すべき要素を抽出し、問題を抱えた若者に適切なメンターを紹介する支援制度案を作成した。
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自由記述の分野 |
文化人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究で、日米両国でも資料が乏しいアラスカ先住民社会における「実親以外の成人による若者教育」の伝統や現在での活用例に関する民族誌的資料を収集することができた。この成果は、研究論文1本、学会等での研究発表4回で公開した。さらにこの民族誌的知見を人類学と親和性の高い福祉の領域と組み合わせて、現地社会に社会問題の解決法を提案するという実践人類学上のモデルを提示できた。 現地の社会資源などの理由で、すぐに実施可能な制度の構築までは至らなかったが、構築を目指す過程で現地社会成員と議論を重ねることにより、若者が直面する問題の分析、理解を促すことに成功した。
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