研究課題
挑戦的萌芽研究
上杉慎吉の憲法学に対する評価は極めて低い。戦前の軍国主義・天皇絶対主義支配を肯定したものとして、(とりわけ美濃部憲法学と対比されつつ)そもそも検討に値しない、というのが学界の標準的な評価であろう。しかし、上杉の法理論は、プラトンやヘーゲル、ルソーなど西洋の法思想を基盤としており、この点について従来の研究が十分にフォローしてきたとはいい難い。そこで、本研究では、上杉の思想的背景を踏まえつつ、上杉憲法学の再構築を試みた。また、戦前期の他の公法学者との比較検討を行なった。
法思想史・法哲学