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2016 年度 実施状況報告書

北アフリカにおける会社法―シャリーアとの関連において

研究課題

研究課題/領域番号 15K12975
研究機関筑波大学

研究代表者

弥永 真生  筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (60191144)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード会社法 / チュニジア / モロッコ / シャリーア
研究実績の概要

第1に、平成27年度に続き、シャリーアにおける会社の法人格及び社員の有限責任をめぐる議論について、アラビア語文献を主に資料を収集し、世俗法である会社法に対する疑義が研究者の間では今なお指摘されていることが判明した。
第2に、チュニジア商事会社法典の条文をフランス商法典(うち会社法部分)と比較し、フランス法の影響が強いことを再確認した。また、チュニジア商事会社法典は2005年及び2009年に大改正が行われているが、チュニジアにおける主要な法律雑誌及び記念論文集など所収されたそれらについての論文を入手した(ただし、調査対象とした法律雑誌の刊行が2013年以降、行われていないのではないかという問題があり、この点は今後の課題である)。これにより、取締役の責任及び報酬が1つの重要な争点となっていること、及び、株主間契約の会社法における意義も重要な点であると認識されていることが判明した。
第3に、チュニジアにおけるコーポレート・ガバナンス・コード及び監査基準の特徴についての調査を開始した。監査基準は西欧諸国のそれらと整合的であるものの、コーポレート・ガバナンス・コードは同族企業が多いことを反映しているのか、かなり、初歩的な内容となっていると評価できる。
以上に加えて、2015年サウジアラビア会社法(2016年5月施行)及び同施行規則とアラブ首長国連邦における会社法を入手し、分析を開始した。いずれも、西欧諸国の会社法とほぼ同様のルールを定めており、文言上は、シャリーアの影響は会社の定義に見られるにとどまっていることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

チュニジアの治安の不安定を背景として、現地調査が十分に行えない状況にあったため。

今後の研究の推進方策

第1に、平成29年4月初めに、チュニジア会社法の2009年大改正にあたって、法務省の法律・司法研究センター(Centre d'Etudes Juridiques et Judiciaires)のワーキング・グループの長(当時は裁判官)として、重要な役割を果たされた弁護士の方から研究に対する協力をいただけることになり、いくつかの文献も送付していただいたので、平成29年度は効率的に研究を遂行できると期待される。
第2に、チュニジアにおいて刊行されている主要な法学雑誌2誌がハンブルクのマックスプランク研究所に所蔵されており、平成29年3月下旬に訪問して、必要部分の複写等を行ったので、平成29年度はこれを用いて、さらに文献を収集し、分析する。
第3に、筑波大学が有するチュニスオフィスを通じて、文献のさらなる収集を進める。

次年度使用額が生じた理由

チュニジアへ現地調査のタイミングを見計らっていたが、以前として、レベル2(不要不急の渡航は止めてください)であるので、現地調査を行うことができなかった

次年度使用額の使用計画

チュニジアの高名な弁護士の協力を得られることになったので、文献の収集、さらに、できれば、チュニスを訪問してインタビューを行うことに、次年度使用額に支出する。また、チュニジアの制度についての文献が所蔵されているドイツ、イギリスまたはフランスにおいて、資料収集を行うことも併せて行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] つくばリポジトリ

    • URL

      https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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