研究課題/領域番号 |
15K12989
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
真渕 勝 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70165934)
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研究分担者 |
小西 敦 京都大学, 国際公共政策研究科, 教授 (10431884)
上川 龍之進 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (40346656)
中村 仁 日本経済大学, 経営学部, 准教授 (50435252)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 官僚の発想 / 学校教育 / 歴史 / 地理 / 英語 |
研究実績の概要 |
様々なリスクに関する研究書、映像資料、展示物を利用して疾病(感染症と食中毒)、地震と津波、テロリズムに関する知見を広めつつ、フィーマットに落とし込む努力を続けている。いくつかの重要な点をあげておく。 歴史的な記録から学ぶべことは、地震に限らず、きわめて重要であることが判明した。世界史や日本史をリスクという観点から整理し、学校教育においても児童・学生に教える必要があることが判明した。 リスク発生時のコミュニケーションの重要性も改めて認識された。政府に対する信頼を高める情報発信の方法は言うにおよばす、国民の間での正しい知識に基づく情報交換そして外国語(とくに英語)表記による注意喚起や教育などは、当の外国人にとってだけでなく、彼らと接する日本人にとっても重要であることが判明した。後二者もまた学校教育において体系的に教える必要があるものである考えるにいたった。 リスクに対する行政官の発想がショートスパンであることは人事政策における重要な課題であることが明らかになった。ある官僚の正直な言によれば、官僚の時間感覚は「1,2,たくさん」であるということである。すなわち、政策形成に責任を有する官僚は2年で異動するために、この期間での業績を上げることに主たる関心があり、それ以上は3年であれ、10年であれ、100年であれ同じ程度の関心、すなわちほとんど関心をもたないということである。 「忘れた頃にやってくる」災害に対しては非常に脆弱であるといわざるをえない。官僚に過度に依存することなくリスクに備える方策を考える必要があることが判明した。 総じて、リスク対応を継続的に行えるようにするには、学校教育がきわめて重要であり、さらに研究計画を拡大・進化させる必要があると判断するにいたった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
様々なリスクに関する研究書、映像資料、展示物を利用して疾病(感染症と食中毒)、地震と津波、テロリズムに関する知見を広めつつ、フィーマットに落とし込む努力を続けている。いくつかの重要な点をあげておく。 歴史的な記録から学ぶべことは、地震に限らず、きわめて重要であることが判明した。 リスク発生時のコミュニケーションの重要性も改めて認識された。多くの自治体がリスク発生時の記者会見の仕方について実習を含む学習をしている。 リスクに対する行政官の発想がショートスパンであることは人事政策における重要な課題であることが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
初年度と同様の方針で調査研究を進める。 研究書を咀嚼して、要点を整理する。 映像資料を通じて、リスクに対するリアリティある理解を進める。 やがて薄れていく記憶をいかに継承するかについて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた現地調査が先方の事情によっていったん中止になったために、その旅費が残ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に現地調査を実施する計画である。
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