本研究は大きく二つの研究目的を措定した。一つは、福祉国家の衰退と新自由主義的グローバル化の進行に対抗する“もう一つの世界”の追求であり、もう一つは大規模自然災害と財政恐慌という二重の国家的リスクに堪えうる持続可能な社会の構築である。現代は、一方でグローバリゼーションや新自由主義的経済の拡大で著しく富が偏在し,経済的格差が拡大するなど、国際社会の平和で持続的な発展が阻害されている。その一方では、シェアリング・エコノミーに代表される相互扶助型経済実践も世界で進んでいる。本研究は、こうした連帯経済の現状を理論的研究、現地調査、および社会実験を通じて明らかにし、今後の展望を得ようとしたものである。
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