研究課題
「民間による公益活動」が重視され、さらにそれを担う非営利公益団体への政策が急展開している。日本では、民間公益活動を担う公益法人制度が2006年に110年ぶりに改革され、新たに公益認定等委員会が2007年に設置された。この時期の非営利政策の改革は我が国ばかりではなく、例えば、ニュージーランド(2005年に新機関設置)、英国(2006年のチャリティ法大改正)、オーストラリア(2012年に新機関設置)など、他の国でも同様に行われた。海外では、分野融合的な民間公益組織の政策や活動に関する「チャリティーズ・スタディーズ」が形成されつつあり、国際比較研究も萌芽的に開始されている。本研究ではかかる国際的研究動向を踏まえつつ、法・会計・文化の研究者が相互のディシプリンを融合させながら、公益法人の認定・監督に関する萌芽的な研究を実施した。具体的には、「政策の現場」(以下「領域」と呼ぶ)で必要とされている研究分野の研究者を集めて、学問的な総合化を行おうとする方法論(「領域設定総合化法」と呼ぶ)を用い、日本の公益認定等委員会を中心に、それに相当する海外の機関であるチャリティ委員会(イングランド&ウェールズ)、チャリティーズ・サービス(ニュージーランド)、非営利チャリティ委員会(オーストラリア)を比較対象として、法・会計・文化融合型の政策研究を実施した。本研究の結果、他国では当然に見られる中小規模法人に対する会計規制上の緩和措置、すなわち、現金主義会計を認めるなどの措置に対して、日本では財務報告会計の要請を一律的に適用した結果、会計規制が法規制を上回る形で、法人活動に重くのしかかっていることを明らかにした。とりわけ、「意図せざる規制強化の現象」が指摘でき、本研究ではそれを「クリープ現象」という新しい概念を提示することによって明らかにするなどの研究成果を得ることができた。
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