研究課題/領域番号 |
15K13005
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
花薗 誠 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (60362406)
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研究分担者 |
中林 純 近畿大学, 経済学部, 准教授 (30565792)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | スコアリングオークション / 多次元パラメータ |
研究実績の概要 |
平成28年度は、研究計画における「パラメータθが多次元の場合」について、集中的に研究を進展させた。スコアリングオークションにおいて、たとえば入札者がもつ費用関数に多次元の変数が含まれる状況は容易に想像できる。しかし、ことなるパラメータのベクトルに対して、入札者がどのような入札行動を対応させるのか、という点を明確にするため議論を整理する必要がある。本年度はモデル分析における均衡入札行動を導くための条件を整理し・緩めるための様々な検討を行った。 まず、各パラメータについて単調な入札関数が均衡における入札行動となるためには、入札者の効用関数が各パラメータと落札スコアについて対数優モジュラー性(log-supermodularity)を満たすかどうかが基本的な条件であることを示した。しかしながら、入札者の効用関数がスコアリングルールと各々の費用関数から内生的に導かれるものである点に注意し、モデルの外生的な条件がどのような場合にその効用関数の条件が満たされるかを、必ずしも見やすい形ではないにしろ、幾つかの形でまとめている。また、各パラメータについての対数優モジュラー性を弱め、より小さい次元での対数優モジュラー性のような条件を導くことができるかどうか検討したが、この点については微妙な問題が数多くあることがわかり、まだ解決していない。 これらの検討の結果については、論文("Theory, Identification, and Estimation for Scoring Auctions")としてまとめており、国際学会で発表も行った(Asia-Pacific Industrial Organization Conference)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度は多次元パラメータの問題の解決に難航し、他の課題、とくにより一般のスコアリングルールにおける入札行動の研究に着手することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は最終年度であるので、これまでの成果を進展させ、結実させること重点を置く。その上で、未着手の課題についても出来る限り進展させていく方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金の支出がなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
人件費・謝金として利用する計画である。
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