本研究では、イノベーション活動に対する政策効果を定量的に評価することを目的に、イノベーションの持つ外部性を定量的に識別する分析手法の確立と応用という課題に取り組んだ。手法の応用として、産業横断的なアプローチと産業特殊的なアプローチの2つを採用した。前者については、全国イノベーション調査を用いた個票ベースのデータから、補助金の効果計測の精緻化を行った。後者については、不動産や道路ネットワーク、医療機器と行った産業分野に焦点を当てて、その産業に応じた構造推定モデルを構築し、政策効果をシミュレーション分析を行うことを通じて、外部性を勘案した上での政策の影響を定量的に推定することに取り組んだ。
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