研究実績の概要 |
本研究では、グリーンイノベーション普及の観点から電気自動車(EV)を題材としたイノベーション普及研究調査として、EV購入における障壁および購入動機を明らかにするためにネットアンケートを実施した。その結果、EVの知覚属性(相対優位性、両立可能性、複雑性、試用可能性、観察可能性など)を評価する人は購入意欲が高いこと、すでにEVを購入している保有者と5年後に購入を検討している潜在採用者では、環境に対する意識に大きな差異があること、などがわかった。つまり、EV保有者は環境には興味がなく、他の自動車に比べてEVが経済的に得であり、EVの運転性能に魅力を感じているために購入している。一方、潜在採用者は保有者よりも環境性を重視しているが、EV購入に向けた合理的な価値としては実感しにくいようである。このことから、EVを普及するためには環境意識への訴えよりも、経済的メリットおよびEVの運転性能の高さをアピールする。 これらの成果をまとめた論文を、現在、「Transportation Research Part A: Policy and Practice」に投稿予定である。(Miki Saijo, Taiyu Sato, Takuya Washio, Takumi Ohashi, “Comparison of consumer characteristics and perceived innovation attributes among EV users and potential users in Japan”)
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