本研究では,日本酒の開発,生産から販売そして消費までの間でおこなわれる一連の情報の生成とその流通の過程を考察することで,どのようなアクターが存在し,それぞれの段階でどのような情報を生成しているのかについて,理論的枠組みを提示することができた。日本酒の開発から消費までの間では,生産の現場で生産情報が生成されていた。それが商社や問屋に引き渡され,そこで分類情報が生成されていた。分類情報を基に,最終的な消費の現場であるレストランや小売店で,適合情報が生成されていた。これらの3つの情報(3M information)の生成が,それぞれの現場でおこなわれていた。
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