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2016 年度 実施状況報告書

水産養殖ビジネスへのビジネスモデルとイノベーションの応用可能性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K13040
研究機関日本大学

研究代表者

高井 透  日本大学, 商学部, 教授 (60255247)

研究分担者 寺本 義也  ハリウッド大学院大学, ハリウッド大学院大学(ビューティビジネス研究科), 教授(移行) (30062178)
内田 亨  新潟国際情報大学, 情報文化学部, 教授 (50453460)
Benton Caroline  筑波大学, ビジネスサイエンス系(副学長), 副学長 (50520897)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード企業 / 価値連鎖 / 戦略 / ノルウェー / ビジネスモデル / 知識移転 / グローバル / 水産養殖
研究実績の概要

本研究は水産事業において、製造業で構築されたビジネスモデルおよびイノベーション理論の応用可能性を多角化的な視点から探索するものである。周知のとおり、日本の水産業は衰退産業に位置づけられている。しかし、その一方で、先進国の中でも水産大国がある。ノルウエーである。当該年度は、日本水産の協力を得ながら、宮崎にある黒瀬水産の養殖事業のイノベーシヨンマネジメントについて継続的に調査する一方、衰退産業から成長産業へと転換させたノルウェー水産業の成功ポイントを解明するために、ノルウェー水産審議会の協力を得ながら調査を行った。とくに、世界市場で大きな市場シェアを占めているノルウエーサーモンの日本市場開拓にフォーカスして研究を行った。日本では長い間、サケを焼いたり、燻製にして食べることはあっても生で食べる習慣はなかった。この常識を覆さない限り、日本市場の開拓は難しかった。この常識を覆すために、官民あげてのジャパンプロジェクトがスタートさせた。まずは、サーモンを普及させる上で、世界のリードカスタマーになりうる寿司屋に受け入れられるために、種苗からエサ、飼育に至るまで寄生虫の寄りつかない養殖環境をつくった。しかも、ノルウェーの養殖施設には、石油プラントで培われて技術が応用されていた。さらに、市場に対する戦略として、水揚げされてから日本の店頭に並ぶまで、最短で36時間、一度も、冷凍されずに届けられる仕組みを構築した。この官民上げてのプロジェクトの中核的な役割を担ってきたのが、ノルウェー水産審議会(NSC)である。NSCの活動原資はノルウェー政府が拠出している。ノルウェー政府は水産物に対して輸出額の0.75%に相当する輸出税を課しており、NSCはこの税金を原資に、世界主要市場に常駐する海外代表所(ノルウェー大使館内)を設け、ノルウエーの水産物のプロモーションを世界的に展開しているのである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調査は概ね順調に進んでいる。日本水産の協力もあるが、水産養殖についての研究開発や製造プロセスなどについては、かなり詳細に研究が進められている。また、ノルウエー水産審議会の協力もあり、国際比較の視点から日本の水産養殖の課題も明らかにすることができた。ただし、地方の養殖事業のビジネスモデルについては、まだ十分な解明が進んでいないが、福島や新潟などの有力な中堅企業の養殖事業者についてはインタビュー調査を行った。一部を除き、外資系企業の調査が十分に進んでいない。この業界での外資系企業に対する調査依頼は簡単に取ることができないというのが現状である。しかし、現在、協力を得ている大手日本企業のネットワークを通じて、調査依頼を行う予定である。そのため、今後はより一層、外資系企業の調査も進めることが可能になる。

今後の研究の推進方策

今後は、継続して日本水産のグループ企業である黒瀬水産を中心に、原材料メーカーの伊万里水産なども調査していく予定である。つまり、原材料から最終的な小売り段階までのビジネスモデルの解明を進めていく予定である。また、地域、業種、企業などの特性によってどの程度、水産養殖のビジネスモデルが異なるのかも解明する予定である。さらに、サンプル数に限界があるかもしれないが、地方の養殖事業者を中心にアンケート調査を実施していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は、水産養殖事業分野の外資系企業のインタビュー調査が一部の企業しか進めることができなかったため、計上したインタビューのテープ起こし料金を十分に使いきることができなかった。また、アンケート調査のサンブル数が一定数、確保できなかったために、アンケート調査の実施を延期したために、調査料金が未消化となったため。

次年度使用額の使用計画

今年度は、地方企業の水産養殖事業者および外資系企業の調査を実施する予定である。また、昨年度、実施できなかったアンケート調査も今年度に実施する予定であるので、昨年度の未消化の金額も十分に使いきることができる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ノルウェーの水産業に学ぶビジネスモデル2016

    • 著者名/発表者名
      髙井透
    • 雑誌名

      世界経済評論ビジネスインパクト

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] ノルウェー水産業とそれを支援する機関2016

    • 著者名/発表者名
      寺本義也 内田亨
    • 雑誌名

      新潟国際情報大学情報文化学部紀要

      巻: 2 ページ: 71-79

  • [備考] ノルウエー水産業に学ぶビジネスモデル

    • URL

      http://www.world-economic-review.jp/impact/article767.html

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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