欧日で活躍するシェフとシェフが活動する産業の実態について、制度的(政治、行政、法律、起業インフラなど)、技術的(ハイテク諸分野)、経済的(人口、市場など)、社会的(文化、イデオロギーの変化など)な事業環境条件との間でどのような適応的で発展的な成長を図ってきたのかを、ダイナミックに分析するために、関連する文献ならびに各種資料(1次資料および2次資料)を入手、渉猟した。更に、これまでの研究を、専門領域の立場から多面的にサーヴェイし、試論的分析枠組みを演繹的に導出した。 上記を踏まえて、資料収集と意見交換のため、海外の共同研究者を中心に、研究機関、研究者および実務家との交流を実施した。特に、フランスで活躍するシェフに対するヒアリング調査では、本研究の課題と方向性が明らかになり、今後の研究に大きく示唆を与える結果となった。 ヒアリング調査については、調査票を作成し、これに基づき日本人のシェフたちに自由に話をしてもらうことで、調査票をさらに精緻化することができるように努めた。質問内容は、キャリアパス、シェフの仕事、感性とビジネスなど多岐に渡り、全ての結果は録音後テープ起こしをして記録している。海外での調査は、人脈形成に時間がかかるが、今年度はその突破口を見出すことで、今後一層のヒアリング調査が可能となるように努めた。 料理人のシェフだけでなく、シェフと呼ばれる職業である指揮者についても調査に着手しており、今後さらに広範囲な調査を実施していく。
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